訪問看護の豆知識

訪問看護指示書について説明します

いつもお世話になっております。

訪問看護ステーションこやま 管理者の小山です。

今回は訪問看護指示書について説明をしたいと思います。

訪問看護指示書は訪問看護利用する際に主治医から訪問看護ステーションに交付してもらう指示書になります。

訪問看護ステーションにとっては訪問看護を行う上で絶対に必要になるもので接する機会も多いのですが、ご利用される方や訪問看護以外の職種の方については訪問看護指示書がどのようなものか興味のある方もおられると思いますので説明していきます。

訪問看護指示書の種類について

訪問看護指示書と言ってもいくつか種類があります。訪問看護指示書にはどのようなものがあるのかというと

  • 訪問看護指示書
  • 特別訪問看護指示書
  • 精神科訪問看護指示書
  • 精神科特別訪問看護指示書
  • 在宅患者訪問点滴注射指示書

上記の5種類があります。

訪問看護指示書の違いついて

訪問看護の種類について説明をしましたが、訪問看護指示書の違いついて説明をしていきます。

訪問看護指示書

一般的な訪問看護指示書になります。主治医が訪問看護の利用を必要と判断した際に主治医から訪問看護ステーションに出されます。訪問看護指示書の内容については

  • 氏名、住所、生年月日などの基本情報
  • 疾患名
  • 病状・治療の状態
  • 内服薬
  • 使用している医療機器
  • ケアを行う際の注意事項
  • 緊急の連絡先

上記について記載されています。
主治医の書いてくれた指示書に沿って訪問看護を行うようになります。

時々、先生の指示で介護保険と医療保険のどちらの利用するのか決めるのかと確認されることがありますが、先生からそのような指示はありませんし、先生の指示で介護保険と医療保険を使い分けることはできませんので先生に無理なお願いをしないようにお願いします。

特別訪問看護指示書

特別訪問看護指示書は訪問看護指示書が出ている方に対して、追加で出される指示書になります。つまり、特別訪問看護指示書のみでは訪問看護の利用はできませんのでその点は注意が必要です。

  1. 特別訪問看護指示書が出される状況については
  2. 急に体調が悪くなり、頻回な訪問が必要な場合
  3. 終末期で頻回な訪問看護が必要な場合
  4. 退院直後で自宅での生活が安定するまで頻回な訪問が必要な場合
  5. 真皮を越える褥瘡がある場合
  6. 気管カニューレを使用している場合

上記の状態にあるご利用者に対して主治医が判断した場合に出される指示書になります。特別訪問看護指示書には何点か注意事項があります。

  • 介護保険で訪問看護を利用しているご利用者でも特別訪問看護指示書の期間は医療保険で訪問看護を利用するように変更になる。
  • ①〜④の状態については特別訪問看護指示書の期間は14日間で月に1回しか出すことができない。
  • ⑤〜⑥については月に2回まで出すことができる。
  • 特別指示期間が終了すると介護保険を利用しているご利用は介護保険に戻る。
  • 特別訪問看護指示書は医師が診察した日からの指示になる。
  • 特別訪問看護指示書を出してもらうのに費用がかかる。
  • 基本的には週4日以上の訪問看護が必要。(状態が改善した場合など必ずしも週に4日以上の訪問が必要ではありません。)

上記のような注意事項がありますので特別訪問看護指示書が出る際には気をつけてください。

精神科訪問看護指示書

精神科訪問看護指示書は、精神科の主治医が訪問看護の必要性を認めた場合に交付されます。精神科を担当する医師に限り交付が可能ですので、すべての医師が書けるわけではありません。精神科用の訪問看護指示書になりますので記載される内容についても訪問看護指示書と違います。訪問看護指示書と合わせて交付はされません。
精神科訪問看護指示書での訪問看護については、医療保険での訪問看護になります
介護保険の認定を受けているご利用者であっても医療保険での訪問看護になりますので注意が必要です。

精神科特別訪問看護指示書

精神科特別訪問看護指示書も、基本的には特別訪問看護指示書と変わりません。服薬によって体調が悪化した場合等、主治医が「頻繁な訪問看護が必要」と判断された場合に交付されます。ただし、特別訪問看護指示書のような、条件により月2回の交付はありませんので注意してください

在宅患者訪問点滴注射指示書

在宅患者訪問点滴注射指示書は、週3回以上の点滴治療が必要な場合に主治医に交付しなてもらいます。ご利用者1人につき週1回の交付になりますが、月に何度も交付可能です。有効期限も最大7日のため、必要なら毎日、点滴の指示が出されます。
週に2日以内の指示の場合は在宅患者訪問点滴注射指示書としての指示は必要ありませんが、訪問看護指示書に2日以内の点滴注射指示内容を記載してもらう必要がありますので、結局はどちらかの指示書を交付してもらう必要になります。

訪問看護指示書の指示期間について

それぞれの訪問看護指示書によって指示期間が決まっていますのでまとめておきます。

訪問看護指示書

指示期間は最長6ヶ月。指示期間の記載がない場合の指示期間は1ヶ月になります。

特別訪問看護指示書

指示期間は最長14日。基本的には月に1回のみの交付になります。月を跨ぐ場合はその月に交付されていなければ、交付可能です。
気管カニューレを使用している場合や真皮を越える褥瘡がある場合には月に2回までは交付可能です。

精神科訪問看護指示書

指示期間は最長6ヶ月。指示期間の記載がない場合の指示期間は1ヶ月になります。

精神科特別訪問看護指示書

指示期間は最長14日。基本的には月に1回のみの交付になります。月を跨ぐ場合はその月に交付されていなければ、交付可能です。
特別訪問看護指示書のように月に2回の交付はできません。

まとめ

訪問看護ステーションにとっては訪問看護指示書はとても大切なものになるので確認する上での注意点やその他の確認事項などがたくさんあります。また特殊なケースなどにより訪問看護指示書を再度記載してもらうようなケースもあります。しかし、今回はあまり詳しいことを書いても難しくなるのでこれくらいにしておきます。
訪問看護指示書について何か他に疑問などがあればお問い合わせ頂ければ返答をさせて頂きます。

それでは今回もありがとうございました。